PARENT SUPPORT / 2026.08.18 ・ 9 MIN READ

子どもが「放デイに行きたくない」と言った朝
家庭と事業所で確認したい3つのこと

急いで説得する前に、その日の状態を本人・家庭・事業所で一緒に確かめます。

今日は行きたくないと言われた朝に、気持ち、体調と出来事、小さな選択肢を確認する3ステップ
利用する・しないを急いで決める前に、本人が今の状態を伝えられる入口をつくります。

朝、玄関や送迎車の前で子どもから「今日は行きたくない」と言われると、保護者も支援者も戸惑います。予定どおり利用してほしい気持ちと、無理をさせたくない気持ち。どちらも自然です。

ただし、その場で説得を急いだり、反対に理由を確かめないまま結論を出したりすると、子どもが伝えようとしているサインを見落とすことがあります。

大切なのは、「行く・休む」をすぐ決めることではありません。まず、その日の状態を本人・家庭・事業所で一緒に確かめることです。

まず結論|急いで説得せず、3つを順番に確認する

「行きたくない」と言われたときは、次の順番で確認します。

  1. 気持ちを受け止める
  2. 体調と出来事を分けて確認する
  3. 小さな選択肢を一緒に決める

この順番は、必ず利用につなげるための方法ではありません。本人が安心して今の状態を伝え、家庭と事業所が安全に判断するための入口です。

1.最初は説得よりも、気持ちを受け止める

最初の言葉は、「行けば楽しいよ」「みんな待っているよ」ではなく、次のような短い受け止めから始めます。

  • 「今日は行きたくないんだね」
  • 「教えてくれてありがとう」
  • 「何か気になることがあるのかな」

気持ちを受け止めることは、その場ですぐ欠席を決めることでも、すべての希望を通すことでもありません。「今の状態を話してよい」と伝えることです。

言葉で説明することが難しい子どもには、表情、動き、睡眠、食事、いつもと違う行動なども手がかりになります。ただし、観察した様子だけで理由を決めつけないことが大切です。

2.体調と出来事を分け、一度に一つずつ聞く

「何が嫌なの?」という広い質問は、答えにくいことがあります。質問を一度に一つにして、体調と出来事を分けて確かめます。

体調について

  • 体が痛い、だるい、気持ち悪いなどはないか
  • 睡眠や食事はいつもと大きく違わないか
  • 発熱、けが、強い疲れなど安全面の心配はないか

出来事について

  • 前回の利用や今朝、気になる出来事があったか
  • 今日の活動、場所、人、音などに不安があるか
  • 予定の変更や見通しにくさが負担になっていないか

例えば、「体がしんどい?」「今日の活動が気になる?」のように選びやすくすると、答えやすい子どももいます。

安全を優先する場面発熱、けが、強い体調不良、安全上の懸念があるときは、会話だけで判断せず、事業所の手順と保護者・関係者間の確認を優先します。

3.「利用する・しない」以外の小さな選択肢をつくる

安全と個別支援計画の範囲で対応できる場合は、二択だけにせず、小さな選択肢を示します。

  • 到着後、静かな場所で5分休む
  • 最初の活動を二つから選ぶ
  • 支援者と一緒に入口まで行く
  • 苦手な場面を職員へ先に伝える
  • 今日確認したいことを一つだけ決める

選択肢が多すぎると、それ自体が負担になります。実際に対応できるものを二つ程度に絞り、本人が選んだことを尊重します。

家庭と事業所で共有するときの5項目

その日の対応は、「行けた・行けなかった」だけで終わらせず、事実を次の順に共有します。

項目共有する内容の例
本人の言葉「今日は行きたくない」と話した
観察できた様子睡眠、食事、表情、体調、いつもとの違い
確認した出来事前回の利用、今朝の出来事、気になった活動や環境
提示した選択肢休憩、活動の選択、職員への事前共有など
その後本人が選んだこと、利用中・帰宅後の様子

理由を一つに決めつけず、家庭と事業所が同じ事実を共有すると、似た場面が再びあったときの手がかりになります。

連絡帳で共有するときの書き方は、児発・放デイの連絡帳|保護者に伝わる5つの書き方でも整理しています。

続くときは「本人の問題」だけにしない

「行きたくない」が続く場合は、本人の気持ちだけでなく、活動内容、職員との関係、集団の大きさ、音や光、送迎、時間帯、予定変更など、環境側も一緒に見直します。

一度の出来事だけで原因を断定せず、家庭と事業所で記録を持ち寄り、必要に応じて個別支援計画や受け入れ方法を検討します。体調や安全について専門的な判断が必要な場合は、事業所内だけで抱えず、適切な専門職や関係機関への相談を優先してください。

よくある質問

行けば楽しめることが多い場合は、説得してもよいですか?

毎回同じ対応が正解とは限りません。まず当日の体調と出来事を確認し、本人が安心して選べる入口をつくります。安全上の懸念がなければ、短い利用や休憩から始めるなど、事業所と相談できる場合もあります。

理由を話してくれないときは、どうすればよいですか?

答えを急がせず、質問を一つに絞ります。言葉だけでなく、表情や行動、前後の出来事も記録します。ただし、観察した様子から理由を断定しないようにします。

欠席した日は、事業所へ何を伝えればよいですか?

本人の言葉、体調、確認した出来事、提示した選択肢、その後の様子を、分かる範囲で事実として伝えます。家庭側の判断を責めたり、事業所側の対応を決めつけたりせず、次回の受け入れを一緒に考える材料にします。

何日くらい続いたら相談すべきですか?

一律の日数では決められません。強い体調不良、けが、安全上の懸念、急な行動変化がある場合は早めの確認が必要です。繰り返す場合も、頻度や前後の状況を記録し、事業所の担当者と共有してください。

まとめ

「行きたくない」は、わがままと決めつける言葉でも、必ず休ませるべきという結論でもありません。その日の状態を知るための大切なサインです。

まず気持ちを受け止め、体調と出来事を分けて確認し、小さな選択肢を一緒に考える。その過程を家庭と事業所で共有することが、次の支援を考える土台になります。

この記事について本記事は一般的な支援の考え方を整理したもので、個別の医療・療育・制度判断を行うものではありません。体調、安全、虐待など緊急性のある懸念は、所属先の手順や専門職・関係機関への相談を優先してください。